ホームOpenBlockS 導入支援ナビOpenBlockS 600 活用指南 > 第1回 大幅スペックアップ!待望の新モデルがついに登場
第1回 大幅スペックアップ!待望の新モデルがついに登場

OpenBlockSシリーズとは

ぷらっとホーム株式会社が開発/販売するOpenBlockSシリーズは,2000年7月から販売が始まった,超小型Linuxボックスです。ファンやスピンドルなど故障の要因となる部品を徹底的に排除し,メンテナンスフリーのサーバ用途で現在も高い評価を得ています。

ぷらっとホーム株式会社
URLhttps://www.plathome.co.jp/

OpenBlockSの歩み

2000年7月に登場した初代OpenBlockSは,赤,青,黄のカラフルな筐体,手のひらの上に載る大きさ,5万円を切る低価格などといったこれまでの製品にはない特徴が注目され,人気を集めました。

初代OpenBlockSには,CPUにPowerPC MPC860,16Mバイトのメモリが搭載されています。コンパクトフラッシュスロットが用意されている他,このスロットを外して2.5インチのHDDを搭載することも可能でした。小型ファイアウォールやルータ,ネットワーク監視アプライアンスなどといった用途に活用された他,自宅のサーバとして利用するパワーユーザもいたようです。

初代発売の翌年には,特徴的なスケルトン筐体にPowerPC 405GP/200MHzを搭載した上位モデル,OpenBlockSSが登場します。搭載メモリは64Mバイトに増え,2つのLANポートがともに100BASE-TXへと対応しました。

さらに2003年, 今度は白い筐体にPowerPC405GPr/266MHz,64Mバイトのメモリを搭載したOpenBlockS 266が登場します。

開発環境を無償で公開

本シリーズの特徴として,開発用のソースコードやクロスコンパイルのための環境が無償で提供されている点が挙げられます。

もちろん,Webサーバ,メールサーバ,DNSサーバといったサーバ機能は標準で提供されているのですが,開発環境が提供されていることにより,ユーザが必要とするサービスをOpenBlockS上で動作させることを手軽に実現できるというわけです。

待望の新モデル,OpenBlock 600登場!

2009年5月12日,ぷらっとホームはOpenBlockS 266の後継機となる「OpenBlockS 600」を発売しました(写真1)。そのおもな仕様も紹介します。

写真1 OpenBlockS 600

写真1 OpenBlockS 600

まずは本体サイズを見てみましょう。幅81mm×奥行き133mmと,前モデルと比較すると若干大きくなっているのですが,そのぶん10mmほど薄くなっています。結果として,今までのモデルよりもスマートな印象を受けます。

搭載されているハードウェアのスペックは,大幅な進化を遂げています。まずCPUですが,名前からも想像できるようにPowerPC 405EX/600MHzを採用。そしてメインメモリには1GバイトのDDR2が使われています。

また,2つのLANポートがギガビットEthernetに対応した他,USBポート×3,RS-232C×2を搭載するなど,外部インターフェースも充実しました(写真2)

写真2 前面,背面のインターフェース

写真2 前面,背面のインターフェース

アプリケーションマネージャの搭載

OSにはもちろんLinuxが採用されています。標準サポートされるのは専用ディストリビューション「SSD/Linux」ですが,Debian/Ubuntu/Fedoraも動作確認済みとのこと。

注目すべきは,OS上で動作する数々のアプリケーション導入がより簡単になったことでしょう。「アプリケーションマネージャ」と呼ばれる機能を使うことで,ユーザはネットワーク経由で必要なアプリケーションを導入することができるようになるのです。

パッケージリストに登録されたアプリケーションは,今後も随時増えていくとのことで,楽しみです。

広がる活用用途

搭載メモリ量とCPUパワーの向上によって,スペック上動作させることが難しかったアプリケーションの稼働が可能になります。それにより,OpenBlockSの応用範囲は確実に広がると考えられます。

一例ですが,先述したアプリケーションマネージャでは,PerlやRubyといったスクリプト言語環境を導入することができます。Webサーバとスクリプト言語環境を組み合わせ,Webサーバ上でさまざまなサービスを動作させるためのWebアプリケーションサーバとして使うことも十分に可能です。

表1 OpenBlockS 600 のおもな仕様

CPUAMCC PowerPC 405EX/600MHz(1次キャッシュ16Kバイト)
メインメモリ1GバイトDDR2 SDRAM
Flash ROM128Mバイト(ユーザエリア64M バイト)
ストレージCF(1Gバイト標準添付,Type-Iカード用スロット)
外部インターフェース1000BASE-T×2,USB 2.0×3(外部2,内部1),RS-232C×2
筐体サイズ81mm(W)× 133mm(D)× 28。8mm(H)
動作条件温度:0〜53℃,湿度20〜80%Rh
重量約240g
OS標準サポート:SSD/Linux(プリインストール済)
動作確認済み:Debian, Ubuntu, Fedora
対応予定:NetBSD
価格オープン

初出:Software Design2009年6月号(2009年5月18日発売)
[ 引用元:gihyo.jp ]



引用元: gihyo.jp

ページの先頭へ戻る