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株式会社ONE

IoTで園児の登降園管理システムを実現

高性能BLEビーコンとOpenBlocks IoT Familyを活用し、園児の登園時間や降園時間を自動管理するシステムを実現

株式会社ONE

掲載日:2018/06/05

組織概要
株式会社ONEロゴ 株式会社ONE
IoT・M2M事業におけるソリューション製品の企画開発、防犯カメラのODM・OEM事業や、24時間365日のヘルプデスク請負業務を行うなど、セキュリティ業界に特化したソリューションの提供で強みを持つ。

株式会社ONE(以下ONE)は高性能なBLEビーコンを使った登降園管理システム「すまいるゲート」を提供しており、このシステムを支えるビーコン受信やデータを取りまとめる機器として「OpenBlocks IoT Family」を活用している。このシステムの提供を行っているONE、当システムの開発を担当した有限会社ロジックベース(以下ロジックベース)、当システム総代理店の株式会社高文(以下高文)、ビーコンの開発・販売を行っている株式会社インタープロ(以下、インタープロ)に開発の経緯や採用の理由について話を聞いた。

株式会社ONE 本部 部門長 本橋 登美雄 氏

株式会社ONE
本部 部門長
本橋 登美雄 氏

ONEが提供する「すまいるゲート」は、ビーコン発信機などのIoT技術を利用し、園児が登園した時刻を自動で記録したり、園児がそれぞれどの部屋にいるかなどを確認することができるシステムだ。園児が身に着けている小型のビーコン発信機から、園内の玄関や各部屋に設置したレシーバーでビーコン電波を受信する事で、園児の登降園時刻や在室状況を自動で記録し、園職員はそれをタブレットで確認することが出来る仕組みになっている。 また、登降園用のバスにもビーコンレシーバーを取り付けることで園児の保護者にバスの乗り降りをメールで通知する事ができ、自分の子どもが無事に登園できたのか、いつ降園してくるかなどが保護者からも確認が可能である。このシステムを開発したのは、ONEと高文に対し、自治体の地域コミュニティからバスのロケーション管理や高齢者の見守りといったシステム開発依頼を受けたことがきっかけであった。

 職員用のアプリケーションが入ったすまいるゲートタブレット端末

職員用のアプリケーションが入った
すまいるゲート タブレット端末

「地域コミュニティのお仕事をさせて頂いている中で気付いたのは、幼稚園・保育園の先生たちが役所に提出する登園・降園・延長保育の資料作成に大きな負荷がかかっているという事がわかりました。インターネットの使えない園も多くあり、解決策を模索した結果、”すまいるゲート”が作られました。」とONE 本部 部門長 本橋登美雄氏(以下、本橋氏)は話す。
ある園では、非接触型のカードリーダーを用意し登園・降園時にIDカードをタッチする仕組みで登降園管理を行っていたが、朝・夕にカードリーダー付近に保護者や園児が渋滞してしまうという問題があった。それもすまいるゲートであれば、園児の名札などにビーコンを取り付けるため、ビーコンレシーバーの付近を通るだけで登園・降園記録を自動で行うことで解決できる。しかし、すべてを電子化させているわけではない。その理由を、本橋氏はこう話す。
「すべて自動で登降園管理をする事も技術的には出来ますが、敢えてそういう仕組みにはしませんでした。先生はタブレット上でどの園児が登園しているかを確認できますが、その後に自分でも園児を目視してから、はじめて登園の形にするという、デジタルとアナログの融合じゃないですが、そういう園児との触れ合いを大切にする仕組みにしました。」

すまいるゲート全体図

高性能ビーコン、高性能IoTゲートウェイでシステムを実現

すまいるゲートは、大きく分けると4つの機器で構成されている。園児に身に着けてもらうビーコン・ビーコンの電波を受信するビーコンレシーバー・ビーコンレシーバーが受けたデータを取りまとめるビーコンサーバー・園職員が持つタブレット端末だ。ビーコンにはインタープロが開発・販売のBLEビーコン「Hibeacon」を採用している。

株式会社インタープロ 代表取締役 南 克浩 氏

株式会社インタープロ
代表取締役
南 克浩 氏

同社代表取締役 南 克浩氏は「Class1相当のBLEビーコンなので、電波距離が80m〜200mと非常に長いのが特長です。工事現場の作業員の位置管理や、工場内の台車の位置管理などの用途が多いですね。」と話す。本橋氏によると、電波強度の安定性や電池寿命、身に着けやすさなどの総合的な判断から、Hibeaconが採用された。また、その電波を受信するためのビーコンレシーバーには、ぷらっとホームのOpenBlocks IoT BX0を採用した。OpenBlocks IoT BX0は、BLE通信モジュールを搭載しており、手のひらに収まる超小型筐体であるため設置性にも優れ、ビーコンレシーバーとして最適だ。そして、送迎用のバスには同じく超小型筐体のOpenBlocks IoT BX5を使用している。同製品はBLE通信モジュールに加えLTE通信にも対応しているため、園児のバスの乗り降りを保護者にメールで通知する役割を担う。さらに、ビーコンレシーバーが受信した情報を取りまとめたり、各ビーコンレシーバーの電波強度のデータ収集、園児がどの部屋に居るかの割り出や登降園のログの保管など、役割が多いビーコンサーバーには処理性能が高くメモリ容量の多いOpenBlocks IoT VX2を採用した。

有限会社ロジックベース 代表取締役 樋口 昭夫氏

有限会社ロジックベース
代表取締役
樋口 昭夫氏

ビーコンレシーバーやビーコンサーバーにOpenBlocksシリーズを採用した理由について、システムの開発を担当したロジックベース 代表取締役 樋口昭夫氏は「OpenBlocksシリーズはこれまで色々な案件で使っていますし、安定して動作するのはわかっているので特に他社の製品を使うという選択肢はありませんでした。」と話す。 ロジックベースでは、これまでOpenBlocksシリーズを使ったシステム開発を何度も行っている。LTE回線を使った遠隔監視・音声通報システムやパケットフィルタリング型ファイアウォール、ネットワークカメラを使った自動巡回監視カメラなど、案件は多岐に渡る。ロジックベースにとってOpenBlocksは安定して動作する事は証明されており、すまいるゲートでも躊躇なくOpenBlocksシリーズの製品を採用できたようだ。

HibeaconとビーコンレシーバーのOpenBlocks IoT BX0

HibeaconとビーコンレシーバーのOpenBlocks IoT BX0

ビーコンサーバーのOpenBlocks IoT VX2

ビーコンサーバーのOpenBlocks IoT VX2

社内活用によって見えた効果

株式会社高文 執行役員 事業開発部長 高橋 芳徳 氏

株式会社高文
執行役員 事業開発部長
高橋 芳徳 氏

すまいるゲートは前述の通り、園職員の業務負荷軽減や朝夕の混雑解消を目的としており、実際にシステムを導入した園の職員からも効果を実感できたという声が上がっている。 高文 執行役員 事業開発部長 高橋芳徳氏は「とある園で使っていただいているのですが、今までは手書きで登降園の管理をしていたそうなんです。でも、すまいるゲートを導入してから、登降園管理の業務負荷が大幅に削減されたと聞いています。この園はインターネットがつながっていないのですが、そんな環境の中でも導入できるのが、すまいるゲートのメリットのひとつですね。」と話し、また、幼稚園・保育園以外でもすまいるゲートの用途を模索しているという。 「すまいるゲートの仕組みは登降園管理だけではなくて、例えば工場の従業員の労務管理などにも使えると思っています。また、国内だけでなく海外富裕層などをターゲットとした幼稚園・保育園などにも需要は必ずあると思っていますので、広めていきたいですね。」と、国内だけでなく海外展開も視野に入れた今後の展望を話してくれた。


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採用製品情報
OpenBlocks IoT BX0 OpenBlocks IoT VX2
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