中小企業向けリモートアクセスサービスを
手のひらサイズ、堅牢なマイクロサーバーで実現
マルチデバイス・マルチキャリアの「たよれーる どこでもコネクト」に
OpenBlocks AX3を採用
株式会社大塚商会
掲載日:2013/12/09
組織概要
昭和36年創業のソリューションプロバイダー。「ITでオフィスを元気にする」を目標に、コンサルティングから情報システム構築・導入、運用サポートまで、情報システムのライフサイクルにあわせて、一括で提供する「ワンストップソリューション」を提案する。
導入前の課題 | 導入効果 | |
---|---|---|
お客様ネットワークに変更を加えること無く、スピーディにサービス導入をしたい | → | L2VPNの採用、専用に開発した設定インターフェースで、数項目の設定で設置完了 |
情報システム部門の専任者がいない中小企業では設置後のメンテナンスやトラブルシュートが難しい | → | ファンレス、ゼロスピンドルの堅牢設計で高信頼な運用を実現 |
お客様の宅内に簡単に置いてもらえるような設計 | → | 手のひらサイズのコンパクト筐体と耐熱・耐塵の堅牢設計で机の下など、柔軟な設置が可能 |
モバイルデバイスの普及に伴い、リモートアクセスの需要は増え続けている。従来、リモートアクセスは、ユーザーの宅内にリモート接続ができる装置を置き、ユーザーのオフィス内とモバイルデバイスをつなげるという方法が主流であった。そのため、ユーザーが装置の購入やメンテナンス、トラブルシュート等を行う必要があり、高額の初期費用や専任のIT技術者が必要となっていた。特に中小企業では、この初期投資が負担となりリモートアクセスの導入が難しい場合が多かった。
マルチデバイス・マルチキャリアのリモートアクセス
OpenBlocks AX3
この問題を解決したのが、株式会社大塚商会の開発した法人向けリモートアクセスサービス、「たよれーる どこでもコネクト」だ。「たよれーる どこでもコネクト」のサービスには大きく分けて2種類あると、株式会社大塚商会 たよれーるマネジメントサービスセンター開発グループの五明克彦氏は説明する。
1つは、モバイルデバイスからデータセンターにつなぎ、さらにデータセンターからユーザーの宅内につなぐというサービス、もう1つはユーザー宅内にあったものをデータセンターに預けて、クラウド化し、そのアクセスラインとしてのどこでもコネクトという形でのサービスだ。
どちらのサービスも「どんなデバイスからも、どこからでも繋がるというのがコンセプトです。」(五明氏)
ユーザーの負担を軽減できるハードウェア
「OpenBlocks AX3にL2VPNソフトウェアを搭載した『どこでもコネクトボックス』で大塚商会iDCとつなぐだけで、深い技術を知らなくてもクラウドのメリットを享受でき、モバイルデバイスの活用ができる。そういうところを目指しました。」と話すのは、株式会社大塚商会 たよれーるマネジメントサービスセンターインフラサービス開発課の藤本憲治氏だ。
どこでもコネクトボックスのハードウェア選定にあたって競合はほとんどなかったという。「初めはルーターでVPNができないかと探していましたが要件を満たすものがなく、最終的に小型サーバーのOpenBlocksに目をつけました。頑丈な箱で手のひらサイズというのが顧客層にあっていましたし、L2VPNを入れて運用することもでき、更に色々なソフトウェアの拡張性や技術に結びつくのではないかということで選定しました。」(藤本氏)
「一般的なルーターで利用出来るL3VPNだとIPアドレスやルーティング等のネットワーク変更が必要だったり、初期費用が大きくなったりと、お客様に負担を強いることが多くなってしまいます。小型サーバーでは他にも候補はあったのですが、費用が高く、サービスの原価に見合わなかったため、競合にはなりませんでした。L2VPNの導入実績やサポート、組込技術などもOpenBlocksの方が断然期待できました。」(株式会社大塚商会 たよれーるマネジメントサービスセンター インフラサービス開発課 町田美紀男氏)
「サービス価格が3分の1から5分の1になったこと、そしてお客様の既存のネットワーク構成を変えずに導入できること、この2つが導入前のキーです。」(五明氏)
小型で堅牢なため、どこにでも置けるというのも魅力の1つだ。「ルーターだと大きな箱なので、それをお客様のところに置いてくださいというのと、手のひらサイズのものを置いてくださいというのとでは全然違います。」(町田氏)
実際に設置場所はサーバールーム以外が多いという。「担当者の足元あたりに置いてあったり、どこにあるのか分からないことすらあるようです。サポートへの問い合わせも、話を聞くと機械の故障ではなく『電源が抜けてた』とか『差込口の部分が曲がった』とか…。お客様の邪魔にならない環境で使って頂けているのがいいですね。」(藤本氏)
「デスク周りに置く場合、ファンは結構うるさいので、ファンレス設計というのもいいですよね。」(町田氏)
株式会社大塚商会 Webプロモーション部 回線プロモーション課 専任課長
金本 弘之 氏
同 たよれーるマネジメントサービスセンター 開発グループ
五明 克彦 氏
同 たよれーるマネジメントサービスセンター インフラサービス開発課
藤本 憲治 氏
同 たよれーるマネジメントサービスセンター インフラサービス開発課
町田 美紀男 氏
自由な開発環境でスムーズな導入を実現
構想から発売までは約半年ほどだった。OpenBlocks AX3はOSとしてLinuxを採用している。そのため、豊富な資源が活用でき、自由度の高い開発を行うことができる。どこでもコネクトボックス側の開発にはぷらっとホームも協力した。
特にこだわったのはお客様先での設置・設定の簡単さだ。「ゼロコンフィグとまでは言いませんが、現場では3つか4つの設定で完了するというのは大きな利点です。今まではIPsecを設計したりと、多拠点モデルなどは設定に半日ほどかかっていたのですが、それが10分程度でできるようになりました。」(町田氏)
「ユーザフレンドリーなWebインターフェースの改修など、かなりやってもらったので、それが10分でできるというところに繋がっていると思います。」(藤本氏)
また、運用面や使いやすさにもこだわった。「搭載したL2VPNソフトウェアそのものでは、VPN接続を行うソフトウェアと設定用のソフトウェアが違うため、エンジニアが設置する際にはVPNの接続状態が見えない課題があったのですが、採用後のファームウェア変更のタイミングで、設定インターフェース上でVPNの接続状態を見えるようにということをお願いして実現してもらいました」(町田氏)
広がるネットワークサービス
どこでもコネクトは2012年10月の発売以来、1年間で約350件の導入実績を誇る。モバイルデバイスやクラウドといった分野は今後ますます注目され、活用が広がる分野でもあり、今後の展望にも期待を寄せる。
「ハイブリッドクラウドというような、データセンターにもありつつ、お客様の宅内にもあるようなクラウド商材を開発していければいいなと思います。」(五明氏)
「たとえばログを取る機能を付けるなども考えています。できれば遠隔地からのマネジメント機能もつけたいですね。導入が増えても安心して運用できるようにしていきたいです。」(町田氏)
「今はVPNという使い方に焦点があたっていますが、本質的にはコンピューターなので、インテリジェントな使い方を模索していきたいと考えています。どこでもコネクト自体はマネジメントされたネットワークサービスブランドの総称ですので、その一部としてOpenBlocks AX3を入れて、お客様が弊社や他社、あるいは拠点間を含めてつながっていければと思います。お客様がネットワーク機器として意識せずにつながっていけるものに育っていければいいなと思いますね。」(藤本氏)
たよれーるどこでもコネクトの概要
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