掲載日:2011/7/14
組織概要
監査18号対策やIT全般統制に欠かせない特権IDのログ(テキスト・動画)追跡・アクセス制御などのセキュリティソリューションを展開。
インストールレスで既存の社内PCを3分でシンクライアント化できる、実績No.1のシンクライアント「IVEX Managed Thin Client(IMTC)」を提供する。
既存PCを有効活用できる次世代シンクライアント「IVEX Managed Thin Client」
クライアントPCには必要最低限の機能のみを置き、その他のソフトウェアやデータは全てサーバー側で管理するシンクライアント環境は、新規導入時のコストや既存PC破棄に伴うリスク、利用できるWindowsソフトウェアや認証できるデバイスに制限があることなど、様々な導入障壁が付いて回るのがこれまでの常であった。
これらの問題を解消した、導入しやすく扱いやすいシンクライアントが、アイベクス株式会社(以下アイベクス)開発の「IVEX Managed Thin Client」(以下IMTC)である。
IMTCは、通常のPC端末をシンクライアント化することができる、手間もコストもかからない次世代のシンクライアント構築アプライアンスである。既存のPC資産を有効活用できるため専用端末の新規購入は不要、低コストかつ手軽な導入が可能となる。Citrix XenAppと組み合わせて使用することでデータやアプリケーションをサーバー側で管理が可能、一方ユーザーは通常のPCと同じ感覚での操作が実現する。
ICA(※1)クライアント専用の超小型OSは、PC端末の起動設定を変更するだけで、ネットワーク内にあるIMTCからICAクライアント本体と専用超小型OSをダウンロード、最短18秒と高速なOS起動が可能。さらには、認証機能によるネットワークセキュリティ、管理端末から設定やOSメンテナンス、アクセス参加権限を一元管理できる高い運用効率、さらには設定情報のバックアップ/リストア機能による優れた運用継続性と、優れた特長を併せ持つことで、IMTCはきわめて高い導入効果を発揮するシンクライアント製品となった。
このIMTCのベースハードウェアとして使用されるのが、OpenBlockS 600である。IMTCの製品化にあたって、OpenBlockS 600は欠くべからざる重要な役目を果たしていた。
Citrix XenApp群とクライアントPCの間にIMTC(OpenBlockS 600)を設置。
IMTCが配信する独自OSによりWindowsにログインするようにCitrixサーバーへのログインが可能になる。アイベクスではパフォーマンスの向上と万一の故障時等に備える目的でOpenBlockS 600を常に2台構成で設置。冗長化を行っている。
ユーザーはネットワークブート機能により、PCを通常そのまま立ち上げればWindows環境、ネットワークブートでPCを立ち上げることで、シンクライアント専用端末として利用することも可能。Linuxを意識することなくWindowsにつながるのもメリットだ。
もちろん、データやアプリケーションを完全にCitrixへ移行することで完全なシンクライアント専用端末として利用することも可能。
IMTC(OpenBlockS 600) 1台につき、40台のクライアントPCをつなぐことが可能。
手間なく設置、手離れよく堅牢稼働、安定した出荷体制も魅力
アイベクス株式会社
取締役(CTO)
青山 和光氏
IMTC開発者である、アイベクス取締役(CTO)青山氏に、製品企画までさかのぼってお話を伺った。
「当初は、IMTCソフトウェアのみをCDメディアで提供していたのですが、この方法では、都度のCDによるインストールやサーバーの用意が必要な点が、大きな導入障壁となっていました。そこで始めたのが、市販の小型PCを用いたアプライアンス製品の提供です。しかし今度は、設定のためにモニタやキーボードの接続が必要な点、また小型PCのハードウェアメンテナンスが必要である点が、問題として浮上してきました。もっと手間なく設置でき、メンテフリーで手離れよく運用できる、ルータのようなものにしたかったのです。」(青山氏、以下同)
こうして始動したIMTCアプライアンスのモデルチェンジプロジェクトにあたり、青山氏の頭に浮かんだのが、ぷらっとホームのマイクロサーバ製品だった。青山氏は以前に監視BlockS(※2)を導入しており、そのコンパクトさと堅牢性に高い評価を置いていたためである。仕様・機能を大きく向上した最新機OpenBlockS 600は求める条件をすべて満たしており、しかも検証の結果、他の多くの点でも青山氏を満足させることとなった。
「IMTCの導入や運用管理を手離れのよいものにするため、OpenBlockS 600のコンパクトさと堅牢性は不可欠でした。また、操作に不慣れな人でもLEDで電源On / Offがわかる点、INITボタンを押すだけで電源を落とせる点、も採用理由として大きなものでした。前モデルだと電源が落ちたかどうかがモニタなしではわからず、シャットダウンにもキーボードが必要でしたが、これらの作業を周辺機器なしの本体のみで行えるのは非常に魅力的です。」
「また、OpenBlockS 600が国産の製品であるということも、非常に安心ですね。海外製品だと在庫状況がなかなか見えなかったり、税関等の関係で着荷に時間がかかったり、さらには発注時と仕様が変わってしまったなんてことも実際にありました。
OpenBlockS 600なら、国内在庫が常にあるということで、万一のトラブル時などでもすぐに手配が可能です。この安定した出荷体制も、製品サポートの一環として評価しています。」
USBメモリ送付でメンテ完了 顧客もスタッフも手間を大幅軽減
OpenBlockS 600の小型さを活かし、
デスク横に設置されるIMTCアプライアンス
IMTCの製品価値向上に貢献するほか、OpenBlockS 600の採用は、アイベクスのメンテナンス体制にも好ましい変化を与えたという。
「目に見えて変わったのは、メンテナンス時の手間の解消です。前モデルだと、Pingで状態確認を行ったり、状態確認のためだけに現地に行ったり、遠隔地と電話のやりとりだけで機器接続やモニタ画面表示の伝達・クリック場所の指示までを行ったり、メンテナンスが非常に大変でした。
一方OpenBlockS 600になってからは、メンテで現地に行くことはなくなりました。内部に専用ROMを搭載している点が大いに役立っています。こちらからメールで送信したプログラムをUSBメモリに入れてもらい、それを挿したOpenBlockS 600をお客様に起動していただくだけで、こちらの欲しい情報が全て得られるようになりました。メンテナンス性の劇的な向上、そのうえ現地ではモニタ・キーボードいらずになりました。
このおかげで、お客様の手間は大幅軽減、またメンテする我々の手間の簡略化も実現できました。」
このほか、IMTC出荷時の設定やセットアップにもUSBメモリを活用、こちらでも手間なし化が実現できたという。
シンクライアントの存在価値向上を目指して
優れた長所を備えたIMTCの提供開始を経て、青山氏はシンクライアント製品の今後をこう語る。
「地震以後の節電等の影響で、目に見えてシンクライアントへのニーズが増えています。停電時に自宅などから作業を行いたい、万一の場合でも電源を確保できるサーバールームにデータを集約したい、といった案件が多くなりました。
具体的な検討段階の企業も増えてきた中で、シンクライアント技術の価値をより一層高めてゆければ、と考えています。」
※1 ICA : Independent Computing Architecture. Citrix Presentation server上のアプリケーションを利用する際に使用する、独自の通信プロトコル。
※2 監視BlockS : OpenBlockS 600の前身モデルであるOpenBlockS 266を筐体として採用する、手のひらサイズの監視アプライアンス。ぷらっとホームより2003年発売。