ホーム導入事例・活用例

OpenBlockS 導入事例 富士通ネットワークソリューションズ株式会社

リモートデスクトップ製品のワンストップ販売をアプライアンス化で実現 テレワークソリューション「モバイルオフィスゲートウェイ」にOpenBlockS 266を採用

掲載日:2010/01/28 (2011/12/20改訂)

企業概要
富士通ネットワークソリューションズ株式会社(以下:FNETS)は、ネットワークに関する「企画コンサルティング」「ハード・ソフト開発」「システム設計」「工事設計・施工」「現地調査」「保守・運用」「トレーニング」といった多岐にわたるソリューションサービスをワンストップで提供する、トータル・ネットワーク・ソリューションプロバイダーである。

モバイルオフィスゲートウェイ

モバイルオフィスゲートウェイ
モバイルオフィスゲートウェイ
(写真は現在発売中のOpenBlockS 600ベースモデル)

FNETSは、テレワークやリモートオフィス、工場や現場支援のソリューション、オフィス内のユニファイドコミュニケーションを3つの柱とする次世代モバイルサービスや多様なデバイスを活用したモバイルソリューションを「モバらくだ」と題して体系化し、関連ソリューションを順次展開していくことを発表した。
その「モバらくだ」シリーズの第一弾として2009年7月に発表されたのが、モバイル環境や自宅から職場のパソコンに安全に接続することができるモバイルワークや在宅勤務=「テレワーク」を手軽に実現する「モバイルオフィスゲートウェイ」である。


■ モバイルオフィスゲートウェイのネットワーク構成
モバイルオフィスゲートウェイのネットワーク構成
クリックして拡大

上のネットワーク構成例では、モバイルオフィスゲートウェイ(MOGW、親機)を事務所に、モバイルオフィスセグメントコントローラー(MOSC、子機)をセグメント毎の各部署に設置している。簡単な設定(親機にPCやユーザーを登録する等)を行うだけで、事務所のPCへリモートデスクトップアクセスを行うことが可能となる。従来のリモートデスクトップとは異なり、自宅や外出先からホストPCの電源ON/OFFも行えるため、消費電力も大きく節約できる。
このサービスでは、既設のVPN装置などをそのまま利用でき、大がかりな新規設備投資は必要ないため、安全かつ低コストにモバイルワーク、在宅ワーク環境を構築することが可能となっている。

モバイルオフィスゲートウェイの主要コンポーネントであるMOGW(親機)およびMOSC(子機)のサーバーハードウェアとして採用されたのが、OpenBlockS 266である。


モバイルオフィスゲートウェイ

2009年7月時点では、OpenBlockS266を採用。
2010年11月1日の一般在庫品販売の終了を機に、後継機である
OpenBlockS 600が継続採用された。

サービスのユーザー層を広げるアプライアンス販売

リモートデスクトップの導入というと、アプリ操作はできてもネットワーク設定はできないといったリテラシーの高くないユーザーには若干敷居の高い感がある。こうしたユーザーをもターゲットとして含めるため、FNETSがサービス開発当初から念頭においていたのが、アプライアンス製品としての販売形態である。ユーザーからの視点のみならず、販売する側の立場からも、元々手離れのよいアプライアンス製品開発の要望はFNETS社内で高かったという。
ソフトウェア販売の場合は、サーバーの構築や接続検証といった導入時の手間、あるいは導入後のメンテナンスや顧客サポートといった手間が避けられないが、イーサケーブルをつなげるだけのアプライアンス製品なら、導入障壁を一気に下げることができる。こうした課題を克服する決定打として選定されたのが、OpenBlockS 266であった。


「ほったらかしでも安心」な堅牢性

ソリューション開発本部 ビジネス推進統括部 モバソリ開発推進部長 皆川 裕之 氏
ソリューション開発本部
モバイルソリューション開発推進部長
皆川 裕之 氏

OpenBlockS 266をモバイルオフィスゲートウェイのサーバーハードウェアに採用した決め手は、その比類ない堅牢性だった、と語るのは、ソリューション開発本部 モバイルソリューション開発推進部長の皆川氏である。

「商品企画の段階から、なるべく小さく省スペースで、また、停止してはいけない用途ということで、ほったらかしでも故障なしで安心して運用できる稼働率の高い製品、というのが条件でした。こうした条件で色々調べた結果、一番適していたのがOpenBlockS 266です。」(皆川氏)

手のひらサイズのコンパクト筐体、ファンレス・スピンドルゼロで故障要因を徹底排除した堅牢性、周辺温度0〜40℃(※)でも動作する耐熱性と、OpenBlockS 266が備える特長の数々は、まさにFNETSの課題をそのまま満たすものであった。


(※)OpenBlockS 266
OpenBlockS 600では0〜53℃(ギガイーサモードでは0〜50℃)


多くの実績に信頼性を

ソリューション開発本部 モバイルソリューション開発推進部 堀江 史生 氏
ソリューション開発本部
モバイルソリューション開発推進部
堀江 史生 氏

コンパクトさと高い耐熱・耐塵性に加え、FNETS開発陣には、ぷらっとホーム製品・サービスの信頼性も高く評価されていたとのことである。

「FNETSではかなり以前から、SolarisやBSDといったオープンソースOSでのサーバーを行ってきており、オープンソース分野で古くから多くの実績を持つ、ぷらっとホームのOpenBlockSシリーズのこともよく知っていました。製品の提供を長く継続しており突然(販売停止などで)製品の供給が困難になるといった心配は無用ですから、ハードウェア的な実力に加え、そういったところも信頼できるということで、採用させていただきました。」(ソリューション開発本部 堀江氏)


製品サポートとオリジナルOSに評価

OpenBlockS 266の採用が決まってから製品化に至る約半年間のうち、純粋な開発期間としては3ヶ月ほど、極めて順調にプロジェクトを進めることができたと堀江氏は語る。

「使用する言語で足りないライブラリはありませんか、とか、バージョンが最新かどうかとか、ぷらっとホームの製品サポートは細かく具体的でした。」(堀江氏)

ソフトウェアの開発にあたっては、OpenBlockS 266が搭載するオリジナルディストリビューションのオープンソースOS「SSD/Linux」を使用しているが、そちらもスムースな開発工程に大きく寄与したようだ。

「SSD/Linuxは、余計なものを持たず、絞られている。製品化にあたっては、セキュリティの観点から、余計なものはなるべく無くそうということになり、そこでもSSD/Linuxはマッチしていました。ユーザーに関してはSSD/Linuxをほとんど意識せずに利用できます」(堀江氏)

二つの意味でのECO仕様

企業全体でノウハウや技術を生かした製品やサービスを利用し、地球温暖化防止など顧客や社会の環境負荷の低減に取り組むFNETSにとっては、約5W(動作時※)というOpenBlockS 266の極めて小さな消費電力も大きな採用理由となった。

モバイルオフィスゲートウェイは、パソコンの電源をリモートでON/OFFすることが可能なため、今まで非常時に備え常時ONだったパソコンの消費電力を全て節約することが可能だ。しかし、その機能を実現するためのアプライアンスサーバーが大きな電力を消費するようでは本末転倒である。OpenBlockS 266がハードウェア的に小さな消費電力で動作する製品自体のECOと、サービスを利用することで実現するECO。この二つのECOは、モバイルオフィスゲートウェイの価値に大きく影響を与えるところであるという。

事実、モバイルオフィスゲートウェイがアプライアンス形態でのサービス提供となったことで、導入時はユーザー情報とセグメントコントローラ情報の設定だけで運用開始できるようになり、また運用上の保守も、不具合発生時にはユーザーのPCにまで配慮しなければならないソフトウェア提供の場合とは異なり、保守対応がアプライアンスサーバー内のみで完結するようになった。そのことによるリソース負荷の軽減効果は大きいという。


(※)OpenBlockS 266
OpenBlockS600では約8W(動作時)

実運用で高い導入効果を発揮

社内システム統括部 情報システム部長 西村 美奈子 氏
社内システム統括部
情報システム部長
西村 美奈子 氏

モバイルオフィスゲートウェイは、製品発表と同時に、FNETS社内でも導入されている。構成としては、親機(MOGW)が本社に一台と、本社と各事業所(大阪や仙台ほか複数拠点)に子機(MOSC)が設置され、リモートデスクトップで各事業所の端末を管理することが可能である。

親機と子機の設置場所は、サーバー室のOAデスクの上など、堅牢なOpenBlockS 266の特長を活かした空いたスペースである。親機・子機とも「夜間休日問わず処理をこなすが、障害等の発生は一度もない」と社内システム統括部 情報システム部長 西村氏は語る。

「主な利用シーンとしては、他の事業所に出張した際にWAN経由で社内の自席PCを利用する場合、また、社外に出ている際にモバイルPC等を使用してインターネット経由で社内の自席PCにアクセスし利用する場合等があります。運用や管理も非常に簡単で、利用したいPCやユーザーをMOGW(親機)に登録するだけで、MOSC(子機)が設置されたPCにリモートアクセスできます。」(西村氏)

FNETSは、サービス導入以前からユーザー認証LDAPサーバーを運用しているが、モバイルオフィスゲートウェイの親機(MOGW)はLDAPサーバーと連携してユーザーを管理することが可能となっている。このためFNETS情報システム部では、新規導入時にも、既存のID / パスワード管理情報を流用することができ、管理側・ユーザー側とも、ほとんど手間をかけずに実運用に入ることができたという。そのほか運用に際して発生する作業も、管理者・ユーザーとも全てWebベースで行えるため、非常にスムースな運用が実現できているということだ。


■ モバイルオフィスゲートウェイFNETS社内運用構成図
モバイルオフィスゲートウェイFNETS社内運用構成図
クリックして拡大
FNET社内のデスクトップに設置される親機・子機
FNETS社内のデスクトップに設置される親機・子機
(写真は、旧・OpenBlockS266をベースとしたモデル。)

本サービスは2009年7月の発表より、社内外の好評を得て好評販売中。OpenBlockS600採用モデルも好調に出荷され続けている。

今後も更なるモバイルソリューションを広げていくための商品の開発・販売、サービスの拡充を行っていくという。


モバらくだシリーズ「モバイルオフィスゲートウェイ」

モバイルPC、自宅PCなどから簡単かつ安全にモバイルワーク・テレワーク環境を提供する、スピーディな導入と手間のかからない運用が可能なリモートデスクトップサービス。

http://jp.fujitsu.com/group/fnets/services/ictinfra/mogw.html


※ 所属部署・肩書きについては、2010/01/28現在のものです。

PDF PDFはこちら
Profile
富士通ネットワークソリューションズ株式会社
http://jp.fujitsu.com/group/fnets/
コンテンツのご活用について

ページの先頭へ戻る