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OpenBlockS 導入事例 東京大学 情報基盤センター

文部科学省プロジェクトでエコな高処理能力システムの実現へ

掲載日:2009/10/20


2009年9月4日、東京大学の小柴ホールにおいて、JST-CRESTによる「実用化を目指した組み込みシステム用ディペンダブル・オペレーティングシステム」研究領域の中間報告会が行われ、最先端のコンピューティング技術のデモンストレーションに、参加者である研究関係者たちの大きな注目が集まった。

JST-CREST「分散ファイルサーバー」に

JST-CRESTとは独立行政法人 科学技術振興機構(JST)が支援を行う、我が国の社会的・経済的ニーズの実現に向けた戦略目標に対して設定され、インパクトの大きなイノベーションシーズを創出するためのチーム型研究のことである。
CRESTでは、産官学から横断的に採択された研究代表者が、戦略目標をもとに研究チームを編成し、研究課題の実施を行う。現在CRESTで課題となっている一つとして、SIAC(シングルIPアドレス機構)と呼ばれる必要に応じて処理能力・容量を手軽に、安心してエコに扱える要素技術の開発研究が行われているが、SIACを構成する分散ファイルサーバー群の実験用メインノードとして採用されているのが、OpenBlockS 266である。


課題解決に大きく貢献

SIACは、東京大学情報基盤センターに所属し、CRESTの研究代表者として採択された石川裕教授のもとで開発されてきた、省電力かつ処理能力が高く、柔軟な拡張性を持つ新しいサーバーシステムである。
SIACは、サーバーノードを多数組み上げて1台のサーバーに見せる技術で、クライアントからリクエストを複数のサーバーノードの一つで処理するという特長を持ち、その中で省電力かつ高処理な冗長化分散ファイルサーバー群を形成し、そのサーバー群は全てOpenBlockS 266でまかなわれている。OpenBlockS 266の採用理由は、その省電力性と省スペース性、そしてDebian GNU/Linuxのような汎用Linuxディストリビューションが動作する点である。こうした特長は、そのままSIACの備えるメリットとなり、課題解決に大きく貢献している。


新モデルOpenBlockS 600にさらなる期待を

今後SIACプロジェクトでは、新モデルのOpenBlockS 600での実験を検討している。OpenBlockS 600では600MHz、1GbE×2、1GBメインメモリをはじめとする大幅なスペックアップが図られていることから、SIACの処理能力アップや、冗長化の際のフェイルオーバー高速化など、多くの期待が寄せられている。


シングルIPアドレス機構(SIAC)が提供するディペンダビリティ

拡張性
必要に応じてサーバー台数を増やし、性能やディスク容量を増強可能
可用性
サーバーを構成する要素の一部が故障しても全体のサービスを継続可能
省電力性
省電力サーバーノードを複数用いることで、性能の総和を高めながら電力を削減することが可能。また、従来オーバースペックになりがちなサーバー仕様を避け、適正な仕様での運用が実現。

 (ポイント)

  • 必要最低限の性能を有するサーバーノードを選択
  • 将来処理量が増えてもノード追加で対応
  • 対故障機能も必要に応じて追加可能
既存技術との違い
  • 特別なハードウェアを必要としない
  • CPUを選ばない
  • クライアントOSを選ばない

OpenBlockSを使用した分散ファイルサーバー、デモシステムの構成図


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