冗長化設定について

はじめに

ここではOpenBlocks 600で運用しているサービスの冗長化について解説します。
冗長化を試す前に、ファームウェア及びWEB設定I/Fを対応バージョン以降に更新して下さい。

ファームウェア: 0.5-RELEASE-20100924 以降
WEB設定I/F: 20101007-03 以降

制限事項

  • WAN(Ether-0)ポートを、PPPoEクライアントとして設定している場合は利用できません

注意

  • 冗長化の対象とするアプリケーションは、冗長化機能の中で起動・終了を制御する必要があるため、自動起動の設定を行っている場合は無効に設定して下さい

設定済みのDHCP Plusを冗長化する場合

ステップ

  1. 1台目
    1. DHCP Plusを冗長化対応のバージョンに更新して下さい
    2. DHCP Plusの自動起動を無効に設定して下さい
    3. 冗長化の基本設定を開き、予め用意されている設定例から、DHCP Plus を選択します
    4. 同じく物理I/Fと仮想IPアドレスを設定します
    5. 再起動を行うと、冗長化構成のマスターサーバとして動作します
  2. 2台目
    1. 1台目とファームウェア、WEB設定I/F、DHCP Plusのバージョンに更新して下さい
    2. 1台目と同じように、冗長化設定を行います
    3. 再起動を行うと、冗長化構成のバックアップサーバとして動作します

設定画面

 画面上部のプリセットにて、設定例を選択出来ます。
ha basic config

設定項目の解説

基本設定
項目
説明
冗長化動作
冗長化を行うかどうか
物理I/F
次の仮想IPアドレスを割り当てるネットワークI/Fを指定
仮想IPアドレス
冗長化するサービスに割り当てるIPアドレスを指定
マスターサーバに、既存のIPアドレスに加えて設定されます
初期状態 起動直後の状態を指定します
フェイルバック
マスターサーバが停止(フェイルオーバ発生)後、復旧した場合に再度マスターとして動作するかどうか
VRRP ID
冗長化で利用しているVRRPのID
他用途でVRRPを使用している場合は、重複しないようにすること
プライオリティ
設定中のサーバのプライオリティ
初期状態をマスター・バックアップでわける場合、マスター側を大きな値に設定します
監視間隔
冗長化に属するサーバ同士の監視間隔
他の監視I/F
物理I/Fで指定した以外に、ここで選択したI/Fのリンクアップを監視します

状態移行時のコマンド
項目
説明
マスター
通常は、DHCPサーバ等の冗長化を行いたいサービスの起動コマンドを指定します
バックアップ
同じく停止コマンドを指定します
フォルト
停止コマンド又はその他必要な処理を行うコマンドを指定します

メール通知
項目
説明
メール通知
状態移行時にメール通知を行うかどうか
送信先(To)アドレス
メール通知時の送信先
送信元(From)アドレス
同じく送信元
SMTP接続タイムアウト メール通知を失敗と判断するまでの時間

通知メールのサンプル (メールソースからの抜粋)

From: xxxxxx@example.co.jp
Subject: [dhcp1] VRRP Instance dhcp - Entering BACKUP state
X-Mailer: Keepalived
Message-Id: <20100728010506.C388933A00C@example.co.jp>
To: undisclosed-recipients:;
=> VRRP Instance is nolonger owning VRRP VIPs <=

設定・ログ同期
項目
説明
同期動作
設定・ログの同期を行うかどうか
マルチキャストアドレス
同期に使用するマルチキャストアドレスを指定
通常は変更の必要ありません
同期用通信ポート(UDP)
同じく同期に使用する通信ポートを指定します
通常は変更の必要ありませn
同期間隔
同期を実行する間隔を指定します
同期ディレクトリ 同期を行うディレクトリを指定します
対象ファイル

上記ディレクトリの中で対象とするファイルを指定します
未指定の場合は、全てが対象となります
指定は同期ディレクトリからの相対パスで記述して下さい

動作確認

冗長化の設定後は、次の方法で動作モードや仮想IPの割り当てを確認できます。

WEB設定I/F上の状態表示

画面左側のメニュー下に、以下のようにご覧のOpenBlocks 600のホスト名と、冗長化の有効・無効、有効な場合はMASTER/BACKUP/FAULTで状態を表示します。

status

コマンドラインでの仮想IPの表示

ifconfig コマンドでは確認が出来ませんので、ip コマンドを利用します。
以下の例では、赤字の172.16.14.9が仮想IPです。

# ip addr show eth0
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,ALLMULTI,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP qlen 1000
link/ether 00:0a:85:00:84:94 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.16.14.7/24 brd 172.16.14.255 scope global eth0
inet 172.16.14.9/32 scope global eth0
inet6 fe80::20a:85ff:fe00:8494/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever
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